金鉱株ETFについて【金ETFとは何が違う!?】
「投資の神様」として名高いアメリカのバークシャー・ハサウェイCEOのウォーレン・バフェット氏が、カナダにあるグローバル鉱山会社バリックゴールド社へ2020年に投資したと報道されたことは記憶に新しいところですが(出典:日経新聞)、
そもそも金鉱株と金とは何が違うのか、その違いから、
オススメの金鉱株ETFまで解説していきます。
金ETFと金鉱株の違い【配当と、金価格との連動】
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配当 |
金価格との連動 |
金 |
×ナシ |
〇連動 |
金鉱株 |
〇アリ |
△間接的 |
金鉱株は、当然のことながら「金鉱会社」に連動しています。
「会社」なので、「配当」がでます。
なお、金鉱会社は、企業なので当然倒産等のリスクはありますが、事業が成功すれば金埋蔵量や生産量、金の販売によりキャッシュフローが増え、その影響によって株価は変化します。
つまり、「間接的」に金現物に連動します。
この点が、金鉱株と金(現物)との違いになります。
この違いを表すのによく言われるのは、2016年は金の現物よりも金鉱株の上昇が目立ったということです。
それは一般的に、金が上昇した場合、金自体の価格上昇よりも、金鉱会社の利益に与えるインパクトの方が大きくなる傾向にあるためです。
ただし、2010年に金が上昇した際には、金鉱会社の株価のパフォーマンスはそれほど良くありませんでした。
当時は、金の上昇に伴い産出コストも上昇したためです。
しかし、2021年4月17日現在では、金の産出コストが下がる中で、
3月の底から金価格が上昇しているため、
価格上昇による金鉱会社への恩恵が当時よりも大きいと考えられます。
(向こう1~2年についても、産出コストを大きく上昇させるような要素は特にないと考えます。)
ただし、倒産や、金鉱山の廃鉱といった、金現物にはないリスクがあることは忘れないでください。
(個人的には、金鉱山ETFは「金」のバリュエーションのひとつ、として持っていて損はないと思いますが、
金ETFの記事で取り上げたように、あと20年もすれば金が枯渇する可能性は高いことから、
超長期で持つのではなく、10年程度くらいの長期が良いと考えています。)
【オススメ】金鉱株
GDX
一番のオススメは、VanEck Vectors Gold Miners ETF(GDX)です。
GDXは、NYSE®ArcaGoldMinersIndex®の価格と利回りのパフォーマンスを可能な限り再現することを目指しているものになります。
(NYSE®ArcaGoldMinersIndex®は、主に金の採掘に関与する上場企業で構成される、修正された時価総額加重インデックスです。)
GDXは金鉱株ETFの中で、最も大きな総資産(1430億ドル、約15兆円!)を持ち、出来高も桁違いに高く、高い流動性をほこります。
経費率は0.53%と一般的には安くはありませんが、紹介する金鉱株ETFの中では最安です。
以上から、たとえば配当がでない金ETFには食指が動かないという方にも、金投資のバリュエーションの一つとして、オススメできるETFです。
GDXJ
将来性と、配当と経費のバランスを重視するのであれば、
VanEck Vectors Junior Gold Miners ETF(GDXJ)が検討に値します。
GDXJは、MVIS®Global Junior Gold Miners Indexの価格と利回りのパフォーマンスを可能な限り再現することを目指しているものになります。
(このインデックスには、金の採掘/ロイヤルティ/ストリーミングから収益の少なくとも50%を生み出す企業、または開発時に金から収益の少なくとも50%を生み出す可能性のある鉱業プロジェクトがある企業が含まれます。
この資産には、世界中の多くの金準備の発見に責任を持つ小規模な探索的または初期の開発段階の企業が含まれています。
ジュニアとある通り、GDXよりも小規模な会社で構成されていると考えれば、間違いありません。
なお、経費率は0.54%で0.01%GDXに劣るものの、配当率は1.79%と高くなっています。
NUGT
金鉱株ETFには2倍のレバレッジをかけたDirexion Daily Gold Miners Bull 2X Shares(NUGT)もありますが、経費率が1%を超え、配当も出ないため、長期運用には不向きです。変動率が大きいのでデイトレーダーの方が金価格の上昇に賭ける際に使うといったことが考えられます。
(※レバレッジとは、原指標の日々の変動率に一定の「正」の倍率を乗じるものです(ブル「Bull」強気とも)。)
DUST
金鉱株ETFには2倍のインバースをかけたDirexion Daily Gold Miners Bear 2X Shares(DUST)もありますが、これも経費率が1%を超え、配当も出ないため、長期運用には不向きであり、これからの金上昇局面での使い道はかなり限定されてくるでしょう。
(※インバースとは、原指標の日々の変動率に一定の「負」の倍数を乗じるものです。(ベア「Bear」弱気とも)。)
なお、日本のETFには金鉱山ETFはないので、あきらめて外国株ETFを買ってください。
まとめ
安定性と、流動性なら、GDX
将来性と、経費と配当のバランスなら、GDXJ
です。
好みに合わせて選択してください。
ちなみに、aotakoは定期買い付けをする予定はありませんが、ボーナスが出た際等、スポット的に買う候補としてGDXとGDXJをピックアップしました。
目指せ、FIRE!